【第2章】自由研削用といし③
第1節 研削といしの概要③
3.結合度
といしのと粒保持力を「結合度」と呼び、アルファベットで表します。
Aが最も柔らかくZが最も硬いことを表します。
研削砥石全体の硬さは結合剤の量を増減させることによって変化します。結合剤の量が多いと硬くなり、少ないと軟らかくなります。
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4.組織
研削といしの全容積中に占めると粒の容積比を「と粒率」といい、組織とはそのと粒率を0~14までの数字で表したものです。
数値の小さいといしはと粒の量が多く気孔が少ない「密」な組織であり、逆に組織の数値が大きいといしは、と粒の量が少なく気孔が多い「粗」な組織となります。
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5.結合剤(ボンド)
結合剤はといし全体を形作るとともに、と粒を保持する役目があります。
結合剤として、ビトリファイド(V)、レジノイド(B)、ゴム(R)、メタル(M)、電着(P)等があり、それぞれの特性に応じて用途を選びます。
主な結合剤の種類・性質と主な特徴・用途は以下のとおりです。
表示 | 種類 | 特長(性質・用途等) |
---|---|---|
V | ビトリファイド | ガラス質を主成分とした、有気孔タイプの結合剤。900~1300℃で焼成。平面研削、内面研削、精密研削、円筒研削から高能率研削まで幅広い分野で使用。 |
B | レジノイド | フェノール樹脂を主成分とした結合剤。高速の自由研削、オフセット研削、粗研削から仕上げ研削、切断まで幅広い用途で使用。 |
R | ゴム | 天然又は人造の硬質ゴムを使用した結合剤。弾性に富む。熱による軟化を防ぐため湿式研削や切断で使用。 |
M | メタル | ブロンズ系の金属を主成分とした結合剤。石材、コンクリート、ガラスやセラミックスのような硬脆性材料の研削に使用。 |
EP (P) |
電着 | ニッケルを主成分とした結合剤で、電気メッキにより台金の上に砥粒を固定したホイール。砥粒の突出量が大きく切れ味を重視した粗研削に優れた性能を発揮。複雑な形状や極小品の研削に使用。 |
6.形状
研削といしの形状は、平形、さら形、カップ形、へこみ形、オフセット形等作業用途に合わせて各種あります。
また、様々な形状に応じて使用面が決められており、使用面以外の使用はといしの破壊につながる恐れがあるため禁止されています。
主な形状の例(JISR6242研削といしの形状記号およびその呼び方)
➡は使用面
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◆側面使用の禁止
といしの側面は円周面に比べて衝撃に弱いので、側面を使用する事を目的とするもの(下記の種類)を除いては使用を禁止されています。
※側面を使用できるといし:
2号リング形、6号ストレートカップ形、11号テーパー・カップ形、
12号皿形、20~26号逃付き形、27・28号オフセット形号オフセット形
7.縁型
縁形にはA~Pまでの種類があり、各種の用途に対応しています。
主な縁型の例
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地域・講習・人数に合わせてすぐに予約可能
講習会を予約する受講者様のご希望に合わせ、以下のタイプの講習会もご用意しています
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