【第3章】といしの覆い、保護具②
第2節 安全衛生保護具①
1.作業に必要な保護具
(1)保護メガネ
現場で溶接部のバリ取り、錆の研磨、鉄筋等の切断で使用するディスクグラインダの場合は、グラインダシールドを取る付けられないものが多いため、保護メガネを使用して作業します。
また、定置式のグラインダのグラインダシールドを使用しない場合には、必ず保護メガネを使用してください。
保護メガネは、横から研削くず等が入るのを防ぐため、ゴーグルタイプのものが望ましいですが、スぺクタクルタイプのものもあります。
(2)防じんマスク
研削作業で発生する粉じんや研削といしの「と粒」の微粉は、長時間にわたって吸引すると、健康障害を起こす恐れがありますので、それを予防するために、防じんマスクを使用する必要があります。
捕集効率による防じんマスクの性能
試験粒子 | 塩化ナトリウム粒子(NaCl) | フタル酸ジオクチル(DOP) | ||
---|---|---|---|---|
捕集効率 | 取替え式 | 使い捨て式 | 取替え式 | 使い捨て式 |
80.0%以上 | RS1 | DS1 | RL1 | DL1 |
95.0%以上 | RS2 | DS2 | RL2 | DL2 |
99.9%以上 | RS3 | DS3 | RL3 | DL3 |
※RはReuse➡再使用、Dはdisposable➡使い捨て
Sはsolid➡個体、Lはliquid➡液体
粉じん等の種類及び作業内容に応じた防じんマスクの性能区分
粉じん等の種類及び作業内容 | 防じんマスクの性能の区分 | |
---|---|---|
オイルミスト等が | ||
混在しない場合 | 混在する場合 | |
○ 安衛則第592条の5 廃棄物の焼却施設に係る作業で、ダイオキシン類の粉じんのばく露のおそれのある作業において使用する防じんマスク |
RS3、RL3 | RL3 |
○ 電離則第38条 放射性物質がこぼれたとき等による汚染のおそれがある区域内の作業又は緊急作業において使用する防じんマスク |
RS3、RL3 | RL3 |
○ 鉛則第58条、特化則第43条及び粉じん則第27条 金属のヒューム(溶接ヒュームを含む。)を発散する場所における作業において使用する防じんマスク |
RS2、RS3、DS2、DS3 RL2、RL3、DL2、DL3 |
RL2、RL3、DL2、DL3 |
○ 鉛則第58条及び特化則第43条 管理濃度が0.1mg/m3以下の物質の粉じんを発散する場所における作業において使用する防じんマスク |
RS2、RS3、DS2、DS3 RL2、RL3、DL2、DL3 |
RL2、RL3、DL2、DL3 |
○ 上記以外の粉じん作業 | RS1、RS2、RS3 DS1、DS2、DS3 RL1、RL2、RL3 DL1、DL2、DL3 |
RL1、RL2、RL3 DL1、DL2、DL3 |
平成17年2月7日基発第0207006号「防じんマスクの選択、使用等について」
(3)耳栓・イヤーマフ
研削作業において騒音の大きな作業では、耳をまもるため耳栓やイヤーマフを使用することが有効です。
騒音の大きさの目安(深谷市資料より抜粋)
聴覚的な目安 | 騒音の大きさ | 騒音の具体例 |
---|---|---|
聴力機能に障害 | 120デシベル | 飛行機のエンジンの近く 近くの落雷 |
110デシベル | 自動車のクラクション(直近) | |
きわめてうるさい | 100デシベル | 電車が通る時のガード下 地下鉄の構内 |
90デシベル | カラオケ音(店内中央) 犬の鳴き声(直近) |
|
うるさい | 80デシベル | 走行中の電車内 救急車のサイレン(直近) パチンコ店内 |
70デシベル | 高速走行中の自動車内 騒々しい事務所の中 セミの鳴き声(直近) |
|
普通 | 60デシベル | 走行中の自動車内 普通の会話 デパート店内 |
50デシベル | 家庭用エアコンの室外機(直近) 静かな事務所の中 |
|
静か | 40デシベル | 閑静な住宅地の昼 図書館内 |
30デシベル | 深夜の郊外 鉛筆での執筆音 |
|
きわめて静か | 20デシベル | 木の葉の触れ合う音 雪の降る音 |
※上記は目安であり、その場の状況や条件等により感じ方や大きさは違いますので、あくまでも参考としてご覧ください。
(4)保護帽
1、ヘッドバンドは頭の大きさにキチンと合わせて調節します。
2、保護帽は真っ直ぐ深く被り、後ろへ傾けて被らないようにします。
3、あごひもの締め方等調整方法は、取扱説明書に従って正しく行います。
4、保護帽の耐用年数は熱可塑性樹脂製の保護帽は、異常が認められなくても3年以内、FRP等の熱硬化性樹脂製の保護帽は5年以内、着装体は1年以内で交換を勧めています。
●保護帽の20のチェックポイント
(一般社団法人日本ヘルメット工業会「保護帽の取り扱いマニュアル」より)
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