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【第二章】4.振動障害の予防措置(日振動ばく露量A(8)等に基づく)

4.振動障害の予防措置(日振動ばく露量A(8)等に基づく)


(1)周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値

使用する振動工具の「周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値」を振動工具の表示、取扱説明書、製造者等のホームページ等により把握してください。


周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値


周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値

(注) ax、ay、azは、三方向(3軸)の周波数補正振動加速度実効値


リョービ製刈払い機の3軸合成値(例)
リョービ製刈払い機の3軸合成値(例)


(2)日振動ばく露量A(8)

「周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値」と1日当たりの振動ばく露時間から、次式 により日振動ばく露量A(8)を求めてください。


日振動ばく露量

(注)a〔m/s² 〕は周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値、

T〔時間〕は1日の振動ばく露時間


 日振動ばく露量A(8)は、下記のノモグラムからも求めることができます。

このノモグラムの使用方法は、

(a)に「周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値」 を押さえ

(c)に「振動ばく露時間」を押さえて、その2つの点を結ぶことにより

(b)の「日振動ばく露量A(8)」を求めることができます。


ノモグラム

(3)日振動ばく露限界値及び日振動ばく露対策値

日振動ばく露量A(8)が、「日振動ばく露限界値」である5.0m/s² を超えることがないよう振動ばく露時間の抑制、低振動の振動工具の選定等を行う必要があります。

 さらに、日振動ばく露限界値(5.0m/s² )を超えない場合であっても、「日振動ばく露対策値」である2.5m/s² を超える場合は、振動ばく露時間の抑制、低振動の振動工具の 選定等に努める必要があります。



(4)振動ばく露時間など

日振動ばく露限界値(A(8):5.0m/s² )に対応した1日の振動ばく露時間(以下「振動ばく露限界時間」といいます。)が、2時間を超える場合は、当面、1日の振動ばく露時間を2時間以下としてください。(通達)


 ただし、振動工具の点検・整備を、製造者又は輸入者が取扱説明書等で示した時期及び方法により実施するとともに、使用する個々の振動工具の「周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値」を、点検・整備の前後を含めて測定・算出している場合において、振動ばく露時間が当該測定・算出値の最大値に対応したものとなるときは、この限りではありません。 なお、この場合であっても1日の振動ばく露時間を4時間以下とするのが望ましいところです。


 (a)振動工具等に表示されている3軸合成値

 (c)一日当たりでの振動工具を使用したい時間

 (b)日振動暴露量A(8) ~ 一日当たりの振動ばく露管理値



(5)振動値が把握できない場合

「周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値」が把握できない振動工具は、類似の振動工具の「周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値」を参考に振動ばく露限界時間を算出し、これが2時間を超える場合には、1日の振動ばく露時間を2時間以下のできる限り短時間としてください。



(6)やむを得ず日振動ばく露限界値を超える場合

作業の性格上、同一の作業者が同一の作業現場で連続して作業を行なうことが不可欠である場合でかつ日振動ばく露量限界値(A(8):5.0m/s² )を超える場合には、1週間の作業の計画を作成した上で、振動ばく露を1日8時間×5日(週40時間)として算出し、日振動ばく露量A(8)を5.0m/s² 以下とする1日の振動ばく露許容時間としてもやむを得ないこととしています。(ただし、チェーンソーの取扱い業務を除く)



(7)1日に複数の振動工具を使用する場合

1日に複数の振動工具を使用する場合、下表を利用して、個別の作業ごとの「振動ばく露量Ai(8)」 を求め、最終的な「日振動ばく露量A(8)」を計算し、その振動ばく露時間が「日振動ばく露限界値(A(8):5.0m/s² )」及び「日振動ばく露対策値(A(8):2.5m/s² )」を超えるかが判断できます。


日振動ばく露限界値

①ノモグラム(前掲)に、個別の作業の周波数補正振動加速度実効値の3軸 合成値を(a)、振動ばく露時間を(c)にプロットし、2つの点を結んで個別の振動ばく露量(b)Ai(8)を読み取り、上記の表に記入します。個々の作業がいくつもある場合は、同様の操作を繰り返し、Ai(8)を求め上記の表に記載します。


②個々の作業のAi(8)の2乗を計算し、全ての作業別の値の合計(ΣAi(8)2 )を求め、上記 の表に記載します。


③②で求めた値の平方根(A(8)= ΣAi(8)² )を求め、表に記載します。この値が、「日振動ばく露量A(8)」になります。



日振動ばく露量A(8)
日振動ばく露量A(8)

 事業者は、作業開始前にこれらを踏まえた作業の計画を作成し、書面等により労働者に示します。


 また、日振動ばく露量A(8)等に基づく対策について、労働者に労働衛生教育を実施します。


マキタハンマドリル3軸合成値
キタハンマドリル3軸合成値

振動障害予防のための作業時間の管理の手順

 

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