【第2章】第2節 電動機器等
1 電動ホイスト
(1)電動ホイストは専用のブラケットにぶら下げることで、安全に効率よく足場資材等の荷上げ荷降ろしが可能になります。法定の教育は必要ではありませんが、荷にワイヤロープ等をかける作業は玉掛作業と同じなので、操作を行う労働者にはクレーン特別教育修了者や玉掛け有資格者の選任が望ましいです。
①作業開始前点検を行う
②特にワイヤロープの乱巻きに注意する
③乱巻防止のためにフックにロープを繋ぎカラ巻上げ時に下から少しテンションを掛ける
④上記対策は巻上げ時の荷ぶれ防止にも役に立つ
(写真はトーヨーコーケン㈱製品)
2 足場材荷揚用ウインチ
(1)近年、足場材荷揚げ用ウインチを機器メーカー各社が開発しています。
操作には巻き上げ機(ウインチ)特別教育修了者を選任します。
①低速と高速の2速運転が可能
②始動・停止がゆっくりで、荷揺れが少ない
③非常停止ボタンがある
④電圧・電流・運転時間などを監視し、故障を未然に防ぐ
3 つり袋、つり綱
(1)つり袋は専用の物で積載荷重を考慮して選択、使用します。底板等は損傷が激しいので作業開始前点検を十分に行います。
作業中に底が抜けて資材を落とす事例は少なくありません。
(2)つり綱は、玉掛け作業用の介添えロープを使用すると安心です。荷をしばる(掛ける)方には専用のつりフックがついていると使いやすいでしょう。
①つり綱を使用するときには専用のブラケットや滑車を使用します。
②足場資材の上げ下ろしを手渡しで行う場合は、上下作業にならないように作業者を斜めに配置します。
③足場資材の上げ下ろしは、監視人を配置し荷の落下の恐れがある範囲を関係者以外立ち入り禁止措置を行います。
4 立ち入り禁止措置
(1)作業のため物体が落下することにより、労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、防網の設備を設け、立入区域を設定する等当該危険を防止するための措置を講じます。
①堅固な柵、バリーケート等で立ち入り禁止区域を完全に囲う
②どこからでも見えるように関係者以外立ち入り禁止標識を設ける
③必要に応じて監視人を配置する
5 作業環境等
(1)高さが二メートル以上の箇所で作業を行なう場合において、強風、大雨、大雪等の悪天候のため、当該作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業に労働者を従事させてはならない。
①強風:十分間の平均風速が毎秒十メートル以上の風
②大雨:一回の降雨量が五十ミリメートル以上の降雨(時間に関係なく)
③大雪:一回の降雪量が二十五センチメートル以上の降雪(時間に関係なく)
④中震以上の地震:震度階級四以上の地震
(2)悪天候時に労働者を従事させてはならない作業
①鉄骨組立て等作業
②木造建築物の組立等作業
③作業構台組立て等作業
④移動式クレーン作業
⑤高さ2m以上の高所での作業
⑥コンクリート造の工作物の解体作業
⑦足場の組立て等作業
⑧クレーン作業
⑨ゴンドラ作業
(3)悪天候が予想されるときの対策
①メッシュシートの巻取り、または取り外し
②壁繋ぎ、控えパイプ等の補強
③最上層の作業床の固縛等
④足場の建地沈下防止で水平繋ぎ、布等の補強
(4)高さが二メートル以上の箇所で作業を行なうときは、当該作業を安全に行なうため必要な照度を保持します。高所作業等については、「必要な照度」としか法令では示されていませんが、暗くなる前に投光器や蛍光灯を設置して十分な明るさを確保してください。
□法令で示される照度(ルクス)は以下の通りです。
①精密な作業 300ルクス以上
②普通の作業 150ルクス以上
③粗な作業 75ルクス以上
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